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『小登科、壮元紅と花彫酒』
「女児紅」とは大昔の習慣で、子供が産まれた日に紹興酒を買い、娘の場合この子の結婚式で参列者に振舞います。
紹興酒は赤に近い茶色で、中国語で赤いものは紅(ホン)といい、娘は女児(ニ.ア)ということからこのような紹興酒は「女児紅」と特別に名付けられています。
さてここで、息子が産まれたらどうしましょう。
実は息子が産まれたときもやっぱり紹興酒を買い、この子の結婚式の参列者に振舞われます。
中国はその昔唐の時代から科挙制度、つまり国家試験に合格したものを国家公務員として採用する制度が確立されています。成績が一番良い受験者は「壮元」という名誉あるタイトルがつけられます。この国家試験で合格することを「登科する」といいます。勿論、難しい試験ですので誰もが試験をパスすること、つまり登科できるわけではありません。でも結婚するということは、「登科することと同じくらいめでたいことだ!」ということで、男性が結婚することを「小登科」といいます。また、披露宴で最も注目される男性は新郎です。国家試験で皆の熱い羨望の眼差しを集めるのは「壮元」です。このことから、結婚式に振舞われる、新郎が産まれた年に作られた紹興酒を「壮元紅(ズアン.エン.ホン)」と言います。
十数年前、台湾で「壮元紅」という紹興酒も売っていました。これも「女児紅」と同じように長い年月寝かされた紹興酒です。正しい資料は手元にありませんが、「女児紅」も長く寝かされていたと思います。(きっと男性の結婚適齢期が、女性よりも遅かったことからでしょうか。)
壮元紅や女児紅は今はもう売っていませんが、同じようなコンセプトの紹興酒に「花彫酒」があります。
花彫酒は壮元紅や女児紅と同様、子供が生まれた時に花飾りの彫刻を施した容器の中に昭興酒を入れて土の中に埋め、子供が大人になり結婚するときに相手に贈る紹興酒です。ですが悲しいことに子供が結婚する前になくなってしまうと、相手に送られることのない「花彫酒」になります。
現在、市販されている「花彫酒」は十何年も寝かしたものではありません。まぁ3~5年くらいでしょう。ですが1、2年物の紹興酒よりは美味しいのではないでしょうか。今度台湾にいらしたときには是非お試し下さい。